教室紹介
教授あいさつ
本教室の最も重要な役割は、道東・道北を中心とした北海道地域において、患者さんに寄り添った医療を実践するともに、最先端の技術を駆使した消化器診療を展開することであると考えております。これを達成するために、最先端の専門技術、診療連携、国際化を重視したハイレベルな診療を展開したいと思います。最先端の専門技術については、最新の内視鏡診療技術の積極的な導入、普及、標準化を進めるとともに、癌や難病における新規治療法の活用や最新の知見を活かした個別化医療を実施いたします。診療連携については、出張医師による診療に加え、ICT・IoTシステムを用いた遠隔医療などを活用し、患者の病態に合わせた双方向の連携を行い、旭川市や道東・道北の関連病院と密な協力体制を構築します。このような最先端技術の提供と積極的な診療連携を軸とした消化器診療システムを構築し、国際的視野をもあわせ持つ医療を展開いたします。
教育に関しては、医療のあらゆる場面に対応できる臨床医育成を目指していきます。地域医療と専門診療をバランスよく経験して頂き、一般内科を基盤として、消化器内科の専門知識・技術の習得を図るとともに、上級医のサポートのもと、早い段階から主治医を任せることで責任ある立場で患者に向き合うように指導いたします。また、常に臨床上の問題点を意識してそれを解決する能力を持ち、さらには新規治療法・診療技術の開発へと結びつける意欲を持った医師を育成します。
研究に関しては、日常診療を通して感じた現行の医学・医療の問題点を研究テーマとして、多施設臨床研究によりエビデンスを構築し、その成果を英文論文、治療指針、ガイドラインなどを通じ提言してまいります。消化器癌や炎症性疾患に関する現在進行中の多数の多施設共同研究の主導・参加を継続するとともに、今後はさらに多くの臨床研究を進めていきたいと思います。また、臨床研究では解決が難しいテーマについては、基礎研究へと落とし込み、トランスレーショナルリサーチ、臨床試験へと繋げ、論文化や特許取得を経て、最終的には患者さんの日常診療に還元していきたいと思います。このようなコンセプトのもと、難病やがんの病態解明や新薬候補分子の発見と実用化へ向けた研究、血液や尿などの体液を用いたがん遺伝子診断などの研究を進めており、これらの成果は英文誌への論文発表ならびに特許申請・取得へと繋がっております。中でも、細菌由来活性分子を用いた難病や癌の創薬研究、がんゲノム解析による個別化診療の開発や病態解明に関しては、多くの科研費やAMED助成を受け、旭川から世界に発信する新規診療技術として、臨床応用へ向けて研究を加速しております。また、患者さんや地域医療へ研究成果を還元することを念頭に、国内外のアカデミアとの共同研究や産学連携にも力を入れています。一連の研究内容は大学院生の研究テーマとして博士号取得に繋がるとともに、海外との多くの学術交流を生み出し、グローバルな視点で活躍できる人材育成を目指しております。
これからも、教室員が一丸となって、地域医療から国際的医療・医学に貢献できるよう邁進していく所存でございます。皆様、ご指導ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。
藤谷 幹浩
水上 裕輔
沿革
旭川医科大学 内科学講座病態代謝内科学分野(通称第二内科)は、
1974年 石井兼央教授により開講され、
1988年第二代 牧野勲教授、
2003年第三代 羽田勝計教授、
2016-2020年 第四代太田嗣人教授に引き継がれました。
旭川医科大学 内科学講座消化器・血液腫瘍制御内科学分野(通称第三内科)は、
1976年 並木正義教授により開講され、
1994年第二代 高後裕教授、
2016年第三代 奥村利勝教授に引き継がれました。
また、この間、同門である先生方が各大学の要職に就かれました(2006年4月 北海道大学生命科学院 綾部時芳教授就任、2012年4月 兵庫医科大学消化管科 渡二郎教授就任、2013年9月 北海道大学生命科学院 田村保明特任教授就任、2019年5月 本学教育センター 野津司教授就任)。
2020年6月 本学内科学講座の再編が始まり、消化器・血液腫瘍制御内科学分野の中に消化器・内視鏡学部門およびがんゲノム診療部門が創設され、それぞれの部門の責任者として藤谷幹浩、水上裕輔が教授に就任いたしました。
2020年7月内科再編の過程でこれまで旭川医科大学の内科学講座の病態代謝内科学分野(通称第二内科)と消化器・血液腫瘍制御内科学分野(通称第三内科)が統合され内科学講座 病態代謝・消化器・血液腫瘍制御内科学分野となりました。
2020年11月より診療科が内科(代謝・免疫・消化器・血液)となり、従来から旧第二内科と旧第三内科にあった消化器内科が1本化されました。
2024年10月に内科学講座の再編が進展し、内科学講座は、循環器・腎臓内科学分野、呼吸器・脳神経内科学分野、内分泌・代謝・膠原病内科学分野、消化器内科学分野、血液内科学分野の5分野に分かれました。消化器内科学分野は藤谷幹浩と水上裕輔が教授として責任者を務めることになりました。